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「いるさっ!ここにひとりな!」 ドーモ、No Name Ninja COBRAデス。CD&D私家翻訳モジュールキャンペーンのDMや、D&D5版で遊んでます。ウェンディーズTRPG「Feast of Legends」私家翻訳やTORG忍殺再現などもやってました。
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オフセで新和時代のCD&D公式モジュールキャンペーンを何度もやってはいたものの、
オンセでのCD&D卓を回し始めてもうネームレベルのPCさんも生まれ、
新規体験卓としてのスタート側も3週目にも突入しようかという事で、
オンセのノウハウも自分なりに溜まったという事でメモを纏めておく。

そもCD&Dでミスタラを舞台としたキャンペーン的な概念が出てくるのはX1に書かれたMAPの存在が大きいと思う。

http://www.pandius.com/expert-set-known-world-24.png

それまでは赤箱でスレスホールドという村の出で冒険者が出てくるという流れはあったものの、
「国境の城砦」や、「アリクの瞳」の部隊は地理的に何処という事は決まってなく、DM個々の世界観の一部という形のままだったが、X1の地図に示された事で、「国境の城砦」はカラメイコス大公国北部のアルタン・テーペ山脈のB2か所にあり、「アリクの瞳」のヘイブンはB3のこの辺ってのがざっくりながら示された。

「B1-9 In Search of Adventure」という総集編モジュールではカラメイコス大公国を舞台に3方向からの移動パターンでベーシックモジュールキャンペーンとして、それまでの設定をやや無視したり、内容をカットしたりもして無理やりに流れとしてまとめたものがある。

>B1-9 In Search of Adventure 冒険を求めて
http://www.geocities.co.jp/Playtown/8080/dd/adv/b1-9.html

ルート1は
コードウェル城の掃討(5つの短編シナリオ集B9コードウェル城奇談の一つ目)
 → B8 偽りの旅路 の3つあるコース内の1部
 → B1 In Search of the Unknown (未訳)
 → 大脱走(B9コードウェル城の一部)
 → B6 陰謀の街・スペキュラルム

これはカラメイコス大公国の西側から南下して首都スペキュラルムへと行くであろうコース。
「大脱走」にルルンの地名ややブラックイーグル男爵の名前が入る形になったため判読できる。

ルート2は
エルウィンの聖域(5つの短編シナリオ集B9コードウェル城奇談のラスト)
 → B2  国境の城塞 のダンジョンパート。おかげで城砦の図面などは省略
 → B3 アリクの瞳
 → B5  シュリール川を越えて 恐怖の丘へ のワイルダネスと一部ダンジョンを省いたもの
 → B6 陰謀の街・スペキュラルム

スレスホールドや国境の城塞=キャステラン砦があることと、ヘイブンの位置をX1付属マップとすればカラメイコス大公国の北東から河川を下る形でスペキュラルムに至るコース。
(実はヘイブンの扱いはプリンセスが出てきたリ、守護者が出てきたリで割と御伽噺的なファンタジーシナリオな為に色々と位置特定は難しい。)

ルート3は
B6 ラハシア
 → B4 失われた都市
 → B6 陰謀の街・スペキュラルム

砂漠のイラルアムへも向かうB4があるので東側から往復移動する経路。

という構成なのだが、
これらのモジュールをPLとしては一通り遊び、DMとしても何十回も回してる立場から言わせてもらうと・・・

「ねーよ!脅威度とかがデタラメすぎる!」

ベーシックモジュール=赤箱対応=レベルが1から3って事を想定してあるなら、これらの中で稼げる経験値からしてルートを完走できれば4レベルも多分軽く超えてしまうと思う。

しかも、ルート開始して割とすぐに強いモンスターというかドラゴンが早々にが出てくる可能性があるとか、少なくともベーシックモジュールとしてはありえない!
なんぼゲーム名称がダンジョンズ&ドラゴンズだろうが全滅したらキャンペーンも何もないだろうに!と思わざるを得ない。

ということで個人的にPL経験や何十回もDMをやった経験から自分がやっているモジュール順番は

スタートは
「B6 陰謀の街・スペキュラルム」
シティアドベンチャーなので公式シナリオの中で1レベルキャラだけのパーティーでも生き残りやすい。
いきなり首都での導入なのでファンタジー世界にせよ都会がどういうものか解る=世界観が掴みやすい。
コンパクトな複数プロットなので分割も可能!オンセもやりやすい!
但し、シティアドベンチャーなのでDMが街の描写をどれくらいできるかの技量は試される。

 → 「B3 アリクの瞳」
PCのレベルが低くてもヒーローできる!異世界ネタなので導入は強引。
初心者DMでもどうやって対応を進めていけばいいかがゲームブック形式のプロットで示されている=PL側も「どうする?」が選択肢だと慣れてない人も進めやすい。
1レベルキャラだけだとそれなりに戦闘で苦労するであろう敵もいるので、次々とキャラが死んでしまうバランスでこそD&Dだと思うDMだとこれが1本目でも良いのでは?と感じる人もいるかもしれない。
でも、キャラが死んでも楽しいって考えはTRPGにそれなりに慣れていないPLには厳しい事もあるので、自分は2番目にした。

デビアントに綺麗なカラーMAPを公開して下さっている方が。
http://bogie-dj.deviantart.com/art/Palace-of-the-Silver-Princess-Level-1-555233079

http://bogie-dj.deviantart.com/art/Palace-of-the-Silver-Princess-Level-2-549899736

但し、オンセでやる場合は部屋数がモジュールそのままだと結構に多いので、自分は2階からスタートという形もとってみている。

強引な導入とファンタジー世界の中の異世界シナリオなので、パーティーが全滅してしまった場合の救済シナリオに、死んだらこの世界に来た!完走すれば守護者の力で生き返れるみたいな展開での用途もあるかも。

またこの方はヘイブンの位置をカラメイコス大公国の北西側にレイアウトする解釈をしている。
厳密にいえば、その場合はカラメイコス大公国内部のキャンペーンでなく、お隣のハーフリングの国ファイブシャイアだけどね。

http://pandius.com/modl_adv.html
>I "tweaked" the canon locations of B1-3, and added B5, to my homebrewed B/X Grand Duchy of Karameikos map

http://pandius.com/revisedBXGDoKmap.bmp.jpg


 → 「B6 ラハシア」
これを終えれば赤箱レベルを卒業して青箱に挑める位にはレベルアップもしているかなと。
累計5000万部小説「ドラゴンランス」作者、トレーシー・ヒックマンと妻のローラの作品だけあって、悪役含むNPCやギミック設定も流石。
3版やパスファインダー、5版にコンバートされて活用されている方々も洋の東西を問わない程に名作の誉れも高い。

んだけど、オンセでやるにはMAPが複雑なのと、やや長いかなとも。
元々、前後編で2部構成で売られていたものなので、オフセでも一気にやる者でもない位のボリュームではあるんだけど。

ダンジョンを煩わしく思う人、好き勝手な気ままな冒険をやりたいってPLさんには向かないかも。なのでリクエストでもなければもう自分は回すのは当面いいかなーとも思っている。

とはいえ「シナリオ」としての評判が良い作品であることは過去数十年にも渡る実績が証明している作品なので、難しいもんだねえと。


他のベーシックモジュールは?と思われる方もいるだろう。
B5は4レベル位で挑んでみるのは良いかなと。
B1-9でワイルダネスと後半パートが省略されているので、そこを青箱入門編として使うのも良いかなと(ワイルダネスについてはアレンジはやや必要だが)。
うちてはダッシュ村風に開拓もB5のエリアでは進んでいる。
B5のエリアがどこなのかの考察については、海外の方の独自研究が自分のと恐ろしくにた結論になって驚愕したのだが、これはまた別のエントリで。

B4は作中に書かれている通りに後半は青箱対応。なので1-9では後半が端折られている。
のだが、あの遠大な内容はなかなか!なのでドラゴン誌などでも3版用にリメイクされ、3.5版のキャンペーンセッティング資料集にも登場する位に評判は高い。
逆を言えばこれも青箱の4レベル以降に挑めばいい作品だと思う。

B2はCD&Dがどういうものかを雑に把握する短時間セッションにはいいかもしれないが、キャラは死にまくるだろうし、成長もさして見込めないので私は勧めない。ゲイリー・ガイギャックス作品だろうとね。

B8は強引な導入、酷いオチ、内容の説教臭さといい、押しつけ吟遊シナリオの悪い例を集めたらこうなるという見本。パワーバランスも考えられていない。なので、やらない方がいいと思う。
海外のネタサイトでも内容の酷さを散々叩かれてる位だし。
http://www.somethingawful.com/dungeons-and-dragons/basic-dnd-adventure/

B9は個々の導入が強引なので、新和版の発売当時にPLでやった時にはバランスの悪さ含めて私の中ではすこぶる悪かったのだが、B1-9を見てみて、こういう繋ぎに使ってみる手はありかもなとも少しだけ思った。CD&Dの経験値はどれだけ御宝を集めたかが大きいので、ビビりすぎてしまったり、見過ごしてしまうと何回も卓をやっててもPCが思ったほど育たないという事も起きうる。
そういう際の調節用に短編として差し込んでみるという用法はあるかもしれない。
ただ導入についてはDM任せな投げっぱなしが過ぎるのでB1-9側を参考にした方がいいかもしrない。(未訳だけど)

B10、B11、B12は公式にカラメイコス大公国を正式に意識して書かれてる公式シナリオで、これまた私見だけど、この頃になるとなんかカラメが開けすぎてて、探検してる感じでなくて、ふつうに田舎で言われたままに仕事してるみたいなノリになってる「呼称だけ冒険者」みたいな扱いが時代の流れも感じつつも、石に当たっても死にそうだったキャラクターが、領主になり、神にまで至れるのがCD&Dなのに、なんか知らない間に領主があちこち既に占領してると「いつの間に何なんだよ・・・」ってPLとしては思うんだよなーって事を制作サイドが解ってない感じが凄かった。

あと、ソロシナリオのBS1 ブリザードパスも複数人でも使えるんだけど、ダンジョンへの導入と帰還方法が唐突なので、シナリオとしてやってもあんま面白くない。ゲームブックとしては赤セロハン使ったりとかの工夫もあって割と楽しいんだけど。


・・・と、駆け足で13本以上のシナリオレビューをしているみたいな内容ですが、
次はB5の解析を含めて、青箱キャンペーンでの公式モジュール順の私なりの提言を書いてみたい。

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